人間の感覚とは面白いもので、35年ぶりに乗ったバイクが動き出した瞬間、当時の感覚が瞬間的に甦ってきた。
スリムな車体の車両重量は160kg程度。
前方から見ると、Fフォークの内側にエンジンも治っているから、バイクの事をあまり知らない人が見たら600ccの排気量があるなんて、誰も思わないだろう。
軽さはやはり正義である。
取り回しは楽だし、動き出したらヒラヒラと舞う様に走ってくれる。
この軽快さは重要で、ちょっと出掛ける時にも使えるバイクなのだ。
この何年かずっと若い頃に乗っていたこのバイクを探していて、でも30年以上の古いバイクでそうそう状態のいい車両なんてなく。
それでもずっと探していると綺麗な状態のバイクが見つかって、縁があって今回我が家にやってきてくれる事となった。
迎えに行く時は、それはもう昔の彼女に会いに行く様なワクワク感。
これは恋だなって思わずにはいられない。
でも同時に今所有している青いバイクと、お別れしなくてはならない事も意味しているのだが。
それでもドキドキしている自分がいる。