週末に日比谷公園で無料の野外音楽祭が開催されるらしい。
ラジオを聞いていたら、実行委員長である亀田誠治がアナウンスしていた。
日曜日の最終日は参加できる。
アプリケーションをダウンロードして当日に備えた。
今にも雨が降り出しそうな空模様だけど、太陽が顔を出していない分、会場は涼しくて過ごしやすい。
協賛している企業のブースを見て回る。
その中に一際人が列をなしているTechnicsのブースに、私も並んでみた。
試聴室に改造されたエアストリームの中で、アナログ盤を聴く試み。
試聴室の中に入れるのは一度に10人足らず。
8枚のアナログ盤の中から参加者がリクエストして、2曲プレイされる。
アレサ・フランクリン、スティーヴィー・ワンダーやビリー・ジョエルなどあったが、1曲目に選ばれたのはドゥービー・ブラザーズ。
ガツンとパンチある音に唸らせられる。
2曲目をリクエストしたのは、若い男の子。
シカゴの「サタデイ・イン・ザ・パーク」を選んだのは意外だった。
それとも曲の事は何も知らず、今日此処にいるから?
いや、今日は日曜日だ!(笑)
いずれにせよ、よく耳にするこの曲もちゃんと聴くのは初めてだった。
ヴォーカルの音が一番前に出ている様に感じる。
キチンも分離された音が心地よい。
音が良いのは当たり前だが、不思議に感じた事があった。
曲を再生する為にジャケットからアナログ盤が取り出されるのだが、クリーニングされる事も無くそのままターンテーブルに乗せられていた。
それなのに針が盤をトレースする時の「パチパチ」と鳴るノイズ音が此処には無いのだ。
その訳を最後にスタッフの方が教えてくれた。
最近のレコードプレイヤーは、アームの取り付けビスなどの周辺部品が改良され、雑に扱われた中古盤などでもノイズ音があまり気にならないらしい。
これだけでもこのレコードプレイヤーを購入する価値があるのだが、本体とカートリッジだけで70万円以上する代物。
ここまで音を楽しむのは、この様な特別な環境の時だけと思い、試聴室の外へ出た。
外に出ると大音楽堂からリハーサルの音が漏れて聴かれた。
藤井フミヤが「星屑のステージ」を歌っている。
演奏を聴いている人たち。
芝生に座って過ごしている人たち。
楽器ブースで楽器に触れ楽しんでいる人たち。
都会の中で行われた音楽祭の、最終ステージのチケットは手に入らなかったが、すっかり心は満たされ会場を後にした。