とても小さなタンデムシートに荷物を載せて、19時過ぎに自宅を出る。
フェリーが出る横須賀港は100㎞先。
川崎の工場群の横を通過していく首都湾岸線を走る。
工場夜景を期待していたが、高い防音壁に阻まれて見る事が出来ない。
フェリー乗り場に到着すると、8台程バイクが止まっていた。
車は30~40台といった程度か。
平日だから少なめと思う。
定刻通りに乗船を済ませ、定刻通りに出航。
フェリー内の設備は充実していて、映画を見たり、昼間はデッキでBBQ を楽しんだり、売店で買った小説を読んだりして過ごした。
乗船から21時間後、定刻より10分程度早く新門司港に入港。
このまま九州自動車道に乗れば、日付が変わる前に実家に着く。
5日間、実家に滞在していたが、2日間は台風の影響で外に出る事が出来なかった。
友だちとツーリングの予定も、ソロツーリングも泡と消える。
しかしながら短い帰省期間、家族とゆっくりと過ごせたのでそれはそれでよかった。
それから長い事会えなかった友だちが訪ねてきてくれたり、お世話になった人に挨拶に行ったり、会いたかったけれど今のご時世会うのは控えたり。
会うかどうかは人によって考え方もそれぞれなので、連絡取り合った時の雰囲気で決めた。
それと今回の帰省で楽しみにしていた一つに食がある。
故郷を離れて一番恋しいのはやはり食べ物。
候補の中から何軒か行けて、それは期待していた感じではなかったり、再確認出来たりと様々だ。
帰りのフェリーで露天風呂に入り、夜空を見上げて星を眺めていると不思議な気分になった。
夜中から波が高くなり船は大きく揺れた。
とても起きていられる状態ではなくなり、ベッドに横になって過ごす。
なんとか朝食だけ船内レストランで済ませ、夜まで横になって過ごす。
寝返り打つだけでも気分が悪くなる。
下船する2時間前ぐらいになってようやく波も穏やかになった。
横須賀港からの帰り道は下道を通った。
知らない夜の街を走るのは、何とも奇妙でスリリングで楽しい。
横浜ベイブリッジから見る街並みがきれい。
曲をランダムに聴きながら走っていたが、一番しっくりきたのはフランク・シナトラの曲だった。
雨の予報だったが、どうにか雨に濡れずに自宅に着く。
水やりが出来なかった観葉植物の事が気がかりだったので、部屋に入って一番に水やりを行った。
窓を開いて夜風を部屋に入れる。
やはり我が家が一番だと感じる。
さて、今度は何処へ出掛けよう。