梅雨が終わった途端に、猛暑がやって来る。
まったく、焼けたアスファルトの上を歩いていると、頭がクラクラしてくる。
夕刻から始まるライブに向けて、川沿いの道を自転車で急いだ。
道は影が差していて、思ったより気持ちいい。
駐輪場に着いた途端に、汗が吹き出してくる。
手で汗を拭いながら、会場へと急いだ。
雑居ビルの屋上は、エアコンディショナーが運んでくる冷たい空気のお蔭で、快適に過ごせそうだ。
立て続けに、ジントニックとカシスオレンジを飲んだ。
やがてライブも始まり、西藤ヒロノブがギターを弾く。
夏の暑さが心地よくなるくらい気持ちいい音楽。
「雨上がりの公園の匂い」
形容するならそんな感じ。
とても気分がいい。
そのまま帰ってしまうのがもったいない。
ライブ会場を後にして、日本語に訳すると「前衛」という名の、BARのドアを開いた。