私たちは矛盾の中で生きている。
食物連鎖の頂点に君臨しているのは人間であり、圧倒的な力を保持する限り、地球の環境を変える事は難しい。
映画の後半、和歌山の美しい入り江の青い海が、イルカの血で真っ赤に染まる。
真っ赤に染まった海の中をイルカたちが逃げ回る。
かなりショッキングな映像である。
子どもの頃、屠殺場にて馬を殺すのを見た事がある。
ハンマーの様な物を眉間辺りに打ち込み、撲殺していたと思う。
あの時の馬の目を忘れる事が出来ない。
ただ、私たちは動物を殺め、それを食する事で生かされている。
この映画は善か、悪か?
それは映画を見た人が決めればいい事だと思う。
自分の目で確認もせず、批判だけ行なうのはおかしい。
イルカを食する文化がある事自体、知らない日本人だって多いのだから。
ただこの映画、行き過ぎた演出、歪んで誇張された様に感じる場面が多々あった。
それでも啓発するには値する。
今の時代に行なわれても、構わない行ないなのか。
それとも許されぬ行為なのか。
何事も無関心である事が最大の罪だと思う。