秋の気配

午前中は里山に登る。

木陰のベンチに腰掛けて呼吸を整えた。

風が心地よい。

ツクツクボウシの鳴き声が聞こえる。

頂上の売店で氷菓子を買う。

売店の人がいつもの人と違う。

また変わったみたい。

初代の老夫婦は長い間切り盛りされたが、その後はなかなか続かない。

いつも買っていた饅頭が姿を消していた。

拳ぐらいの大きさの栗饅頭で、栗餡を包む皮にオレンジピールを練り込んであって、とっても美味しかったのに・・・。

帰り道はユーミンを聴きながら歩いた。

道沿いに秋桜の花が咲いている。

白い坂道が空まで続いていた/ゆらゆらかげろうがあの子を包む/誰も気づかずただひとり/あの子は昇ってゆく

何もおそれない/そして舞い上がる

空に憧れて /空をかけてゆく/あの子の命はひこうき雲

荒井由実 「ひこうき雲

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