キャッチ&リリース

イギリス人の彼女を持つ友だちの話を聞いて、ちょっと考えてしまった。

その友だちも渓流つりをやるのだが、その釣法の事で話しが盛り上がったそうなのだ。

私たちの中には、フライフィッシングをするものもいれば、ルアーフィッシングのものもいるし、えさ釣りのものもいる。

イギリスではえさ釣りはご法度になるそうだ。

イギリスといえば、フライフィッシング発祥の地。

鱒釣りもいろいろな規制があるらしく、それがちゃんと守られているお国なのだ。

キャッチ&リリースも、普通に行われている。

彼女の父親は、彼女が物心ついた頃から鱒釣りをしている生粋のフライフィッシャーマンらしい。

一方日本古来の釣法といえば、えさ釣りや和式毛ばり釣り。

日本の渓流は木が生い茂った川が多く、幅も狭い川ではフライやルアーのように遠くへ仕掛けを飛ばす必要も無いのだ。

そして日本では、釣った魚は持ち帰るのが普通である。

釣った魚は責任持って持ち帰り、正しく食するのが食べ物のありがたみがわかるし、釣った魚への弔いになると考えるのが日本人なのだ。

なのでC&Rの考えは無かった。

ただ近年のブラックバス・ブーム、そして環境の事を考えC&Rっていうものが行われるようになったと考える。

彼女の中ではフライフィッシングは善、えさ釣りは悪、といった方程式が出来上がっているようだ。

雑誌などでフライフィッシングはリリースするが、えさ釣りは根こそぎ魚を持って帰る悪い釣りのように、書いてあるのを目にした事がある。

はたしてそうなのであろうか?

私はフライをやるが、以前はルアーフィッシングに夢中になっていたし、えさ釣りも時々やる。

そして魚を持って帰ることもあれば、リリースする時もある。

釣法とC&Rは関係ないように思う。

全ては釣手にかかってくるものだと思う。

C&Rもちゃんとした知識が無いと、せっかく逃がしたのに、死んでしまうって事もある。

そしてなぜC&Rしているのかを、自分自身がわかっていないといけないように思う。

ちゃんとリリースしないぐらいなら、魚をキープして食してやるのが、魚に対しての礼儀だと思う。

最近息子と釣りに出掛けるようになった。

最初の頃、私が釣ったヤマメをみせると、目を輝かさせて見入っていた。

「きれいだね。」

独り言とも思えるような小さな声で呟き、自分にリリースさせてといってネットから両手でやさしく魚を救い出し、回復を待ってから流れに返していた。

そして彼はうれしそうに笑っていた。

C&Rってそんなことじゃないかなー。

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